「ライブ映画」は、なぜ東映初の興収100億円作品になったのか
ライブのように観られた『ONE PIECE FILM RED』は20日で100億円に届き、東映を史上最高の一年へ押し上げた
『ONE PIECE FILM RED』は2022年8月25日、公開20日目で興行収入100億円を突破した。観客動員は720万人。3 東映の単独配給作品として、初めての100億円だった。
その後も5か月にわたって上映が続き、1年後にはリバイバル上映で再び劇場に戻ってきた。2022年に公開された日本映画で、最も大きな数字を残した作品である。2
203.3億円
ライブのように観られた映画
物語の中心にいるのは歌姫ウタで、物語を運ぶのは歌だ。原作者で総合プロデューサーの尾田栄一郎が楽曲を託したのは、中田ヤスタカ、Mrs. GREEN APPLE、Vaundyらのアーティスト。そのすべてをAdoが歌っている。
日本アカデミー賞は本作に話題賞を、音楽チームに特別賞を贈り、劇場の観客にライブ会場にいるような感覚を与えたと評価した。8 まさにそこが狙いだった。観客はただ観るのではなく、もう一度聴くために劇場へ戻った。
20日で100億円
最初の驚きは、その速さだった。公開10日で、2012年からシリーズ最高記録を持っていた『ONE PIECE FILM Z』の68.7億円を超えた。3 さらに10日後、100億円に届いた。
東映にとっては未知の領域だった。100億円を超えた日本映画はそれまでにもあったが、東映の単独配給では一本もなかった。3
東映史上最高の一年
2022年が東映にとって記録的な年になった最大の理由が、この作品である。同年の東映の年間興行収入は325.6億円、動員は2,364万人。それまでの最高は2009年の179.8億円だった。6
325.6億円
ロングラン、そして二度目の上映
最初の上映は2023年1月29日、177日間で幕を閉じた。この時点で興行収入は197億円、動員は1,427万人。日本の歴代興行収入で8位に入っていた。4
最終週末は、当時の東映のラインナップの強さを物語っている。1月27日から29日の全国週末興行は、1位『レジェンド&バタフライ』、2位『THE FIRST SLAM DUNK』、3位『ONE PIECE FILM RED』。上位3本がすべて東映配給だった。10
2023年10月20日からの1か月間のリバイバル上映で週末興行1位に返り咲き、興行収入は200億円を、動員は1,450万人を超えた。5 日本映画製作者連盟による最終的な数字は203.3億円である。1
海外での公開
北米では2022年11月4日に公開され、2,367館で934万ドルを記録。週末興行は『ブラックアダム』に次ぐ2位だった。7 Box Office Mojoの集計では米国・カナダで1,280万ドル、フランスで680万ドル。ただし世界興収は複数の市場で集計が欠けている。9
撮影所との関係
『ONE PIECE FILM RED』は東映アニメーションが制作したアニメーション映画で、京都や東京のステージで撮影されたわけではない。この作品が示しているのは、両撮影所を運営する会社のもう半分の顔だ。アニメのライブ映画を200億円に導いた配給部門は、二つの撮影所で撮られる実写作品を世に送り出す部門でもある。東映は案件ごとに、その配給力をパートナーに提供している。
出典
- 2023年(令和5年)全国映画概況Motion Picture Producers Association of Japan (Eiren), January 2024
- 2022年(令和4年)全国映画概況Motion Picture Producers Association of Japan (Eiren), January 2023
- 『ONE PIECE FILM RED』興収100億円突破Oricon News, August 2022
- 『ONE PIECE FILM RED』上映終了、最終興収197億円Anime!Anime!, January 30, 2023
- 『ONE PIECE FILM RED』リバイバル上映で興収200億円突破Famitsu, October 2023
- 東映、2022年の年間興行収入が過去最高にAnime Hack (eiga.com), January 2023
- Domestic 2022 Weekend 44Box Office Mojo, November 2022
- 第46回日本アカデミー賞 受賞作品・受賞者Japan Academy Film Prize Association, March 2023
- One Piece Film: RedBox Office Mojo
- 週末興行ランキング 2023年1月27日〜29日eiga.com, January 30, 2023